[2005年07月09日]
俳句(2005-07-09)
夕暮や夏の柱の倚り心
尾崎紅葉(1867~1903)
作者は、明治時代の人気小説家であるとともに、俳句の世界では子規の日本派に対抗して、俳句の革新に邁進した時期があります。ただし、談林派の影響を強く受けたためもあって、句は晦渋に傾き、一般受けはしませんでした。
この句は、その中でも比較的にわかりやすい句です。
夏の夕暮に、原稿書きの手を休めて、ほっとした思いで柱に倚(よ)りかかります。ひんやりした心地よさが背中に感じられます。普段あまり意識することのない柱に対して、ふと感じた夏に寄せる作者の倦怠感が伝わってきます。
おざき・こうようは、東京・芝の生れの物書き。語りの巧みさと艶麗な文章で圧倒的な人気を得ました。代表作は「金色夜叉」「多情多恨」などです。
(出典:関森勝夫著「文人たちの句境」中公新書、1991年刊)
投稿者 m-staff : 2005年07月09日 07:41
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/1190


