[2006年09月28日]

俳句(2006-09-28)

菊咲けり陶淵明の菊咲けり

山口青邨(1892〜1988)

菊が秋の季語。
この句はどの歳時記でも見つけることが出来ます。
菊は食べられ、今でも長寿を願って酒盃に菊の花びらを浮かべて飲みます。4世紀から5世紀に生きた陶淵明(365〜427)は、官を辞めて閑居しているときに「九日間居並序」で次のように歌っています。
酒はよく百慮(ひゃくりょ)を祓(はら)い
菊はよく頽齢(たいれい)を制す
人生はみじかく、憂いも多い。酒盃に菊を浮かべて飲むのはこの二つの悩みから解放するためという。陶淵明は酒を買うお金がなかったので酒盃に菊の花びらを浮かべて飲んだそうです。
菊を采(と)る 東籬(とうり)の下
悠然として南山を見る
陶淵明は、田園隠居ともいうべき街中に近い田園に隠居し、心の持ちよう一つでいかなる場所でも辺境になりうると喝破しました。
陶淵明にとっての菊はそのような心のありようであることを作者は捉えて�ます。
この句は、1942(昭和17)年刊行の句集「雪国」に所収されています。
作者やまぐち・せいそんの紹介は、2006年2月21日を参照。
(出典:「現代の俳句」講談社、1993年刊)

投稿者 m-staff : 2006年09月28日 06:13

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