[2006年12月04日]

俳句(2006-12-04)

山茶花の散るにまかせて晴れ渡り

永井龍男(1904〜90)

山茶花が冬の季語。姫椿も同意の季語です。
浅田次郎に「姫椿」という短編があります。自己破産寸前の中年不動産屋が昔通っていた銭湯の庭に咲いていた姫椿(山茶花)を見て元気を取り戻すという話です。
椿に似た山茶花という花は、咲いているときは元気よさそうに見えますが、散ったときは一面何か食い散らかしたような騒がしさを感じます。まるでこの句のように、バブルの後の日本経済みたいなものですね。もう10年前になるでしょうか。新宿歌舞伎町の横の遊歩道に山茶花が咲いて散っている所に野良猫が屯していたことを思い出します。
作者ながい・たつおは、東京生れ、小林英雄らと同人誌「山繭」を創刊、短編小説に秀でていて「石版東京図会」「一個その他」などを表わします。文化勲章受章者です。
(出典:「新季寄せ」蝸牛社、1995年刊)

投稿者 m-staff : 2006年12月04日 06:35

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