[2006年12月16日]

俳句(2006-12-16)

冬の虫ところさだめて鳴きにけり

松村蒼石(1887~1982)

冬の虫が冬の季語。残る虫、虫老ゆ、虫絶ゆるも同意の季語です。
わたしの住んでいる一騎塚の裏山の草陰でジーと鳴いている虫を見つけました。まだ生きているのですね。いじらしいというか、あさましいというか。あわれさが身に沁みるように感じられます。
この句では、残った虫が所嫌わずに鳴いているのではなくて、最後の居場所は自分で見つけてかそけく鳴いている様子を伝えてくれます。人間も同じなのでしょうね。
作者まつむら・そうせきは、滋賀県の生れ、早くから京都の織物問屋に勤め、関西・関東で様々な境涯に会います。俳句は飯田蛇笏に師事し、「雲母」一筋に活躍しました。
(出典:「合本俳句歳時記第三版」角川書店、2003年刊)

投稿者 m-staff : 2006年12月16日 08:58

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