[2006年12月18日]

俳句(2006-12-18)

短日やにはかに落ちし波の音

久保田万太郎(1889~1963)

短日(たんじつ)が冬の季語。日短、日短し、日つまる、暮早し、暮易しも同意の季語です。
どんどんと夕闇が迫ってきて、それまではっきりと聞えていた波の音まで、にわかに闇に吸い込まれてゆくような感じがするという、冬の夕暮を的確にとらえています。「にはかに」がいいですね。
1958年刊の「流寓抄(りゅうぐうしょう)」に所載されています。
簡明にして奥深く、俳句ならではの表現手法を用いて、作者の孤独感がひしひしと伝わってきます。秀抜な句です。
俳句では、「日永(ひなが)」が春、「短夜(みじかよ)」が夏、「夜長(よなが)」が秋、「短日」が冬という約束になっています。
作者くぼた・まんたろうの紹介は、2005 年1月6日を参照。
(出典:「新歳時記」河出文庫、1989年刊)

投稿者 m-staff : 2006年12月18日 09:02

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