[2006年12月30日]

俳句(2006-12-30)

逝く年の思いの端を水浸し

能村登四郎(1911~2001)

逝く年が冬の季語。暮れ行く年、年逝く、年流る、流るる年、年送るも同意の季語です。
季節を惜しむ季語には、「行く春、春惜しむ、三月尽、行く秋、秋惜しむ、九月尽」などがあります。いずれも時を時の流れから客観的に見ています。
この句から、美空ひばりの「川の流れのように」を思い出しました。
「ああ 川のながれのように ゆるやかに いくつも時代は過ぎて」……。(秋元康作詞、見岳章作曲)
水の題材をとり、1年の歳月を惜しみ振り返るように、水の流れが思い出の端を浸(ひた)してゆく。俳句の侘びの境地を余すところなく表わした作品です。素晴らしい。
作者のむら・としろうの紹介は、2006年8月20日を参照。
(出典:「日本大歳時記」講談社、1982年刊)

投稿者 m-staff : 2006年12月30日 05:24

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