[2007年01月09日]

俳句(2007-01-09)

書初の夢といふ字のかたむきぬ

白澤弓彦(1952~2006)

書初が新年の季語。
新年になって初めて字を書くために筆を手にすることです。書くのは目出度い文字やことばで新年を寿(ことほ)ぎます。由来を調べてみると、鎌倉・室町ごろからといわれており、禅寺の若い僧に賀詩をさせてからといわれています。
作者は書初に「夢」という字を書いたが、どういうわけか字がかたむいてしまった、何故だろう。
誰にも「夢」はあります。しかし、それを無念にも、断念しなければならないときがあります。そのような時に書いた文字はきっとかたむいているのでしょう。
同じ作者につぎのような句があります。
あをあをと北のまほろば風花す
混沌のいのちのあふれ楸邨忌
青嵐信濃一国吹かれをり
鯉幟関八洲をひとめぐり
死の隣赤子のこゑす天の川
化粧坂まつさかさまに烏瓜
作者しらさわ・ゆみひこは、2006年2月8日に54歳の若さで亡くなりました。すい臓がんでした。わたしの所属している「炎環」の中心的人物で、いつも温厚な笑顔を絶やさずに、句会では、いつも披講を担当されていました。繊細にして大胆な句を数多く作りました。これからというのに惜しい人を失いました。
(出典:白澤弓彦著「白澤弓彦句集」、邑書林、2006年刊)

投稿者 m-staff : 2007年01月09日 04:32

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