[2007年01月24日]

俳句(2007-01-24)

人間の海鼠となりて冬籠る

寺田寅彦(1878~1935)

冬籠るが冬の季語。雪籠(ゆきごもり)も同意の季語です。
ここでは海鼠(なまこ)も冬の季語です。一句中に季語が二つあるのを「季重なり」といいます。冬籠りを取りました。
「なまこ」という不可思議な動物を好きという人に会ったことはありません。どこが頭か尾かわからずに、ぬるぬるしてとらえどころのない、そのような「なまこ」を想像して、冬の間何もすることがなく、着膨れてじっと家の中に籠もっている自分を自嘲的に句にしています。季語にぴったりの句ですね。
同じ作者に「海鼠」の句があります。
老子虚無を海鼠と語る魚の棚  寅彦
「なまこ」の思想とは何でしょうね。
昨年亡くなった友人、松本 哉著「寺田寅彦は忘れた頃にやって来る」(集英社新書)が人間と自然の葛藤を描いて面白い。
作者てらだ・とらひこの紹介は、2005年1月1日を参照。
(出典:「新版・俳句歳時記」雄山閣、2003年刊)

投稿者 m-staff : 2007年01月24日 05:29

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