[2007年03月03日]

俳句(2007-03-03)

雛飾る手の数珠しばしはづしおき

瀬戸内寂聴

雛飾るが春の季語。雛、ひひな、雛人形、雛道具、雛ぼんぼり、雛菓子など同意の季語は多くあります。
瀬戸内寂聴とは、1966(昭和41)年、寂聴になるまえの「晴美」のころに、東京・市ヶ谷の大日本印刷の校正室で会ったことがあります。雑誌「文藝」の連載小説「鬼の栖(すみか)」の最終校正のときでした。髪をアップにした和服姿を鮮明に覚えています。そのときの挿絵は、艶麗な「風間 完」、いま手元に4枚残してあります。
つい先日、BSハイビジョンで寂聴のドキュメンタリーがあり、人間とりわけ女の業を正直に切々と話す姿に感銘を受けました。幼い娘を置いて文学の道に飛び込んだ恋多き女性の文化勲章を受けるまでになった作者のこころを思うとき、よくぞここまで来たと拍手を送りたくなります。
この句は、仏に仕える身でも、雛祭りには、数珠を外して、女を楽しみたいという作者の思いが伝わってきます。
作者せとうち・じゃくちょうの紹介は、2005年2月27日を参照。
(出典:「合本現代俳句歳時記」角川春樹事務所、2004年刊)

投稿者 m-staff : 2007年03月03日 06:09

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