[2007年03月05日]

俳句(2007-03-05)

大根の花よりをとこ淡く過ぐ

伊藤白潮

大根の花が春の季語。花大根(はなだいこ)、種大根(たねだいこん)も同意の季語です。
大根は、「古事記」の昔から、「おおね」と呼ばれて親しまれてきた野菜です。近くの大根畑への散歩は、わたしの日課になっています。
大根はおもに冬期の作物ですが、採種のために畑に残された大根は、年を越して春になると、白や淡い紫色をした十字形の四弁の花を咲かせます。これがなんとも良いのです。菜の花と比べれば華やかな明るさはないのですが、ひなびたわびしい風情があります。
この句では、淡く過ぎてゆく男の人生に、そこはかとなく共感を覚えると詠っています。
作者いとう・はくちょうは、1926年千葉県横芝町の生れ、俳句は田中午次郎に私淑し、師の没後俳誌「鴫(しぎ)」を復刊し、育てます。
(出典:「合本現代俳句歳時記」角川春樹事務所、2004年刊)

投稿者 m-staff : 2007年03月05日 06:50

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