[2007年05月11日]

俳句(2007-05-11)

世を去りしひとと牡丹を見てゐたり

野見山朱鳥(1917~70)

牡丹が夏の季語。ぼうたん、牡丹園、白牡丹も同意の季語です。
牡丹には、いい句が揃っています。
牡丹散てうちかさなりぬ二三片   蕪村
白牡丹といふといへども紅ほのか  虚子
なかでも今日取り上げた句は、恐ろしいほどの緊張感があります。
作者の妻が療養所に入院、本人の病気再発、甥の自殺、虚子の死などこの作品を生む背景には凄惨なものがあります。うつし世と来世の区別が定まらないような精神状況からこの句は生れました。
牡丹の花は寿命が短く、花の散る様子に情緒があります。
作者のみやま・あすかの紹介は、2005年3月23日を参照。
(出典:阿部誠文著「輝ける俳人たち」巴書林、1996年刊)

投稿者 m-staff : 2007年05月11日 05:10

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