[2007年07月19日]

俳句(2007-07-19)

黴の香やこの安住のいつまでか

上田五千石(1933~97)

黴(かび)が夏の季語。
青黴、白黴、黴の宿、黴煙、黴の香なども同意の季語です。
黴が生えているというのは、別の見方をすれば、何も動きがなく安心して暮しているということを意味していると作者は見ています。
確かに生活の有り様を振り返ってみればよくわかります。黴が生える間もなく、忙しくしていて家の中が綺麗になっていていれば、一見いいようですが安住という感じではありません。人の生活をよく見ている良い句とみました。作者は残念ながら64歳で亡くなりました。
この句は、1978(昭和53)年刊の句集「森林」に所収されています。
作者うえだ・ごせんごくの紹介は、2005年1月19日を参照。
(出典:「集成・昭和の俳句」小学館、1995年刊)

投稿者 m-staff : 2007年07月19日 05:39

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