[2008年01月24日]

冬深き井戸のけむりよ朝まだき

室生犀星(1889~1962)

冬深きが冬の季語。冬深し、真冬、冬さぶも同意の季語です。
いまや厳寒、まさに冬たけなわといったところでしょうか。
この句のように、朝早い井戸からけむりが上がっているのが見えます。確かに北海道では井戸まで凍ってしまいますが、本州では凍らずに「けむり」が上がっているように見えるのです。井戸の水の温度よりも外気が低いので、水蒸気が上っているのでしょう。ですからこの句は写生に徹して、厳寒の家周辺の状況を伝えています。
作者には次のような句もあります。
とくさまつすぐな冬の深さよ    犀星
とくさ(木賊)は常緑シダ植物です。秋の季語になっていますが、ここでは冬の深さをとります。
作者むろう・さいせいの紹介は、2005年6月20日を参照。
(出典:「日本大歳時記」講談社、1982年刊)

投稿者 m-staff : 2008年01月24日 06:06

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