[2008年01月28日]

モガリ笛いく夜もがらせ花ニ逢はん

檀 一雄(1912~76)

虎落笛(もがりぶえ)が冬の季語。
虎落笛は、冬の寒風がビルや柵、垣根などに吹きつけて、笛のような音を出すことをいいます。ピーピー鳴ってそれは耳を聾するような音です。「もがる」は、逆らうとかゆするとかの意味合いで使われます。
この句は、幾晩も虎落笛が襲ってきて困ったことだがそのうちに必ず春がやってきて桜が咲くことでしょう。この苦しみはそんなに続くものではない、春はもうすぐそこまで来ていると詠っています。
作者だん・かずおは、山梨県生れ、小説家。佐藤春夫に師事し、処女作は「此家の性格」、作品集「花筐(はながたみ)」、「リツ子・その愛」「リツ子・その死」など、「長恨歌」と「真説石川五右衛門」で直木賞を得ました。「火宅の人」をとても面白く読みました。俳句は自己流で、求められれば色紙にこの句を贈りました。
(出典:「合本現代俳句歳時記」角川春樹事務所、2004年刊)

投稿者 m-staff : 2008年01月28日 06:12

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