[2008年03月05日]

みどりごをつつみにくるよかげろふは

斎藤 玄(1914~80)

陽炎(かげろう)が春の季語。陽炎燃ゆる、糸遊、遊子、野馬、か
ぎろいなども同意の季語です。
この作者の一生は、戦争、放蕩、妻の病死、癌による自らの死と波乱万丈です。そのようななかで作られたこの句は、春に多い陽炎が嬰児(みどりご)を包みに来ると、どこまでも生を優しく見据えています。
陽炎は、春のうららかな日に、野原などに立ち昇る気配、はかないもの、ほのかなもの、あるかなきかに見えるもの、をいいます。
同じ作者に次の句があります。
みどりごの指萌えてゐる涅槃雪    玄
作者さいとう・げんの紹介は、2005年9月27日を参照。
(出典:山本健吉「句歌歳時記」、新潮社、1986年刊)

投稿者 m-staff : 2008年03月05日 06:12

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