[2008年03月30日]

木蓮の白きにほのと紅散れり

早川光彦(1923~2005)

木蓮(もくれん)が春の季語。木蘭(もくれん)、紫木蓮、更紗木蓮も同意の季語です。
木蓮は、庭木として広く栽培されています。葉の出る前に、紅紫色の花を咲かせます。筆の先のようなつぼみは、一様に南側からふくらみ始め、花はそろって同一の方向に向いて咲きます。
この句は、白木蓮の咲いている庭に「ほのと」木蓮の紅紫の花が散ってゆくという、儚げにして華やかな風景を叙情的にまとめ上げています。
年初、名古屋から素晴しい句集が送られてきました。わたしの会社勤めのころの友人・早川 周氏の父上、早川光彦の遺句集です。表紙装画・文中絵も作者の筆により味を出しています。
作者はやかわ・みつひこは、愛知県生れ、戦後復員し、日東石膏(現ノリタケカンパニーリミテッド)に就職以降、1963(昭和38)年千葉県市原市での日本石膏ボード㈱時代に勤務の傍ら俳句部をつくり、句作に励みました。
この句は、1999(平成11)年春の作品、「朱底抄」では、1998(平成10)年秋から14年冬にかけての約390句がまとめられています。いずれも凛とした気品あふれる作品が集められています。
(出典:早川光彦著「朱底抄」印刷・友人社、非売品、2007年刊)
・30日付けの「朝日新聞」によると、作家の草森紳一氏が18日に心不全で亡くなったことが報じられています。私の編集者時代にお世話になりました。温かい心の持ち主でした。合掌。

投稿者 m-staff : 2008年03月30日 07:26

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/2225