[2008年05月25日]

玉虫の厨子により見る薄暑かな

松瀬青々(1869~1937)

薄暑(はくしょ)が夏の季語。新暖、軽暖も同意の季語です。
玉虫の厨子(ずし)とは、奈良の法隆寺に伝わる飛鳥時代の仏像・舎利・お経を安置する仏具のことです。高さが2.36メートル、総体はヒノキ作りで外面は黒漆塗り、縁に張った透かし彫りの金具の上に玉虫の羽を敷いています。
この句は、薄暑という初夏のやや暑いなあと感じる季節を、玉虫の厨子から見るという発想に打たれます。
同じ作者に次の句があります。
青空の中に風ふく薄暑かな   青々
これもまたよい作品ですね。
作者まつせ・せいせいの紹介は、2005年2月17日を参照。
(出典:「新歳時記」河出文庫、1989年刊)

投稿者 m-staff : 2008年05月25日 05:46

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