[2008年05月29日]

夕暮やけしの坊主の又殖ゆる

長谷川零余子(1886~1928)

けし(罌粟)坊主が夏の季語。芥子坊主も同意の季語です。
けし坊主が風にゆらゆらと揺れている様子はとてもユーモラスで親しみがもてますね。
けしの花が散ったあとに球形または楕円形の実が残ります。はじめは青色で、やがて黄色になり、熟したものから種を取ります。それはけし粒と呼ばれ、微細なもののたとえになっています。
夕暮に、けしの花が風に揺られて散って、またけし坊主が数を殖やしたように、作者には見えたのでしょうね。
作者はせがわ・れいよしは、群馬県鬼石町の生れ、本名、冨田諧三、俳人・長谷川かな女と結婚し、日本橋の長谷川家の養子となります。俳句は学生のころからはじめ、帝大俳句会を創始。一時、「ホトトギス」発行所に勤務しました。俳誌「枯野」を創刊主宰し、独自の道を歩みました。
(出典:「合本現代俳句歳時記」角川春樹事務所、2004年刊)

投稿者 m-staff : 2008年05月29日 05:34

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/2305