[2008年06月06日]

眼を病んで灯ともさぬ夜や五月雨

夏目漱石(1867~1916)

五月雨(さつきあめ)が夏の季語。五月雨(さみだれ)、皐月雨、梅霖(ばいりん)も同意の季語です。
さみだれは、陰暦五月に降る長雨、つまり梅雨のことです。
中国では黴雨(つゆ)でしたが、日本ではこの「黴」という言葉を嫌って、ちょうど青梅の時期にあたるので、同音の「梅雨」という言葉を当てはめました。さみだれは日本的な情緒あふれる言葉ですね。
この句は、眼を悪くすると書くことも本を読むこともできずに灯(ひ)もともさずに、仕方なく早く床につくしかない。かの漱石先生も寝床で五月雨を聞くしかない。ますます眠れないことになります。陰々滅滅として、五月鬱(さつきうつ)という言葉はありませんが、そのような気分になる句と見ました。
作者なつめ・そうせきの紹介は、2005年2月17日を参照。
(出典:「日本大歳時記」講談社、1982年刊)

投稿者 m-staff : 2008年06月06日 05:07

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