[2008年10月10日]

病母の辺柚子しんしんと青尽す

目迫秩父(1917~63)

柚子が秋の季語。
みかん科の常緑低木で、高さはおよそ3メートル。耐寒性があります。とげの多い木で、葉は長く、夏に白い色の小花を咲かせ、花の後にみかんに似た果実を実らせます。すっぱい香気と酸味を持っています。阿波の酢橘、大分のカボスも同類です。大分のお嫁さんの実家からカボスが送られてきました。
この句は、病に寝ている母の枕元に柚子が青く転がっていて、早く元気になってほしいとの思いが伝わってきます。
同じ作者に次の句があります。
柚子匂ふ無音の闇に圧されをり  秩父
胸部疾患で入退院を繰り返していた作者は、果実の柚子をこのようにいとおしくとらえています。
作者めさく・ちちぶは、横浜市の出身、俳句は大野林火に師事し、「濱」創刊時に参加、「千尋(ちひろ)」を創刊主宰しました。
(出典:「新歳時記」河出文庫、1989年刊)

投稿者 m-staff : 2008年10月10日 10:21

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