[2009年02月24日]

野を焼いて今日新たなる雨降れり

渡辺白泉(1913~69)

野を焼いてが春の季語。野焼く、野焼き、野火、堤焼くも同意の季語です。
三浦半島の丘陵の陰で野焼きの煙があがっています。春先には野や堤の枯れ草を焼いて草萌えを良くし、害虫を駆除するためのものです。その灰は肥料の働きをして、わらびやぜんまいの生育を助けます。
野焼きの煙や焼いたあとの黒々とした野原は、早春を風情あるものとしています。
この句は、焼いた野に新しい雨が降り、草の新しい息吹が聞こえると詠っています。大岡昇平には「野火」というフィリピンでの戦争体験に基づいて、落伍した兵士の人間生存の極限まで迫った作品があります。同じ野火でまったく違った世界ですね。
作者わたなべ・はくせんの紹介は、2005年10月31日を参照。
(出典:「合本現代俳句歳時記」角川春樹事務所、2004年刊)
・アカデミー賞に日本の2作品受賞。喝采!

投稿者 m-staff : 2009年02月24日 07:22

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