[2009年03月11日]

蛇出でてすぐに輪廻の日射し負ふ

小林康治(1912~92)

蛇出づるが春の季語。蛇穴を出る、蛇穴を出づも同意の季語です。
蛇や蟇蛙(ひきがえる)、蜥蜴(とかげ)などが穴を出るころになりました。
地中で冬眠していた蛇が暖かくなると地上に姿を見せます。蛇は冬の間はかたまって冬眠しますが、春になると穴を出て、それぞれの棲みかに散ります。啓蟄のころにあたり、蛇は脱皮して食物をあさり始めます。
実際にある季題ですが、どこか空想的な感じがしますね。
この句は、車輪が回転してきわまりのないように、日々の暮らしが生死を重ねて、とどまることのない世界の日差しを浴びて、われわれと同じ生者の道を歩むのかと嘆じています。
作者こばやし・こうじの紹介は、2008年8月1日を参照。
(出典:「日本大歳時記」講談社、1982年刊)

投稿者 m-staff : 2009年03月11日 10:26

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