[2009年03月12日]

水取や磴につきたる火屑みち

皆吉爽雨(1902~83)

水取(みずとり)が春の季語。お水取りも同意の季語です。
奈良東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)の行の一つで、3月13日午前2時前後から行われます。関西ではお水取りが終わると本格的に春になります。
お水取りは、籠たいまつの盛んな行が終わってから、笙・ひちりきが堂内にひびくと「はす」といわれる大松明が現れ、つづいてあかいやのお香水を汲み取り、本堂に運びます。
この夜、童子が回廊でふりまわす火の粉を浴びると厄除けになるといわれ、お香水をいただけば諸病諸悪が四散するといわれので多くの人が殺到します。
この句は、たいまつの火の屑が石段の磴(とう)についてまるで道が出来たようだと活写しています。
同じ作者に次の句があります。
水取の炬火の上堂間をおかず    爽雨
炬火(きょか)は、たいまつのこと。上堂はお堂の上の間をいいます。たいまつの火が回廊から上堂を走っています。
作者みなよし・そううの紹介は、2006年6月27日を参照。
(出典:「新歳時記」河出文庫、1989年刊)

投稿者 m-staff : 2009年03月12日 10:21

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/2639