[2009年05月21日]
薫風や蚕は吐く糸にまみれつつ
渡辺水巴(1882~1946)
薫風(くんぷう)が夏の季語。風薫る、風の香、薫る風も同意の季語です。
今日は、小満(しょうまん)。24節気のひとつで、陽気盛んにして万物しだいに長じて満つるという意味です。
さて、薫風は見るからに南の風で、水の上、緑の上を渡って匂うようなさわやかさを感ずることを薫るといいます。
初夏の養蚕のころ、薫風のさわやかに吹きすぎるとき、蚕は白銀の糸を吐いて、みるみる薄絹に包まれていくという光景を句にしています。「生命のための俳句」を主導した、作者の気持ちを代表するような句ですね。
作者わたなべ・すいはの紹介は、2005年2月4日を参照。
(出典:「合本現代俳句歳時記」角川春樹事務所、2004年刊)
・新型インフルが東京・神奈川にばらまかれました。さあどうする?
投稿者 m-staff : 2009年05月21日 09:58
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