[2009年06月15日]
山の雲溪蓀の水に下りてくる
長谷川素逝(1907~46)
溪蓀(あやめ)が夏の季語。はなあやめ、紅眼蘭も同意の季語です。
あやめを「溪蓀」と書くのはあまり見かけなくなりましたね。あやめは乾燥地に成育し、水辺の花菖蒲、杜若と区別されます。
「古今和歌集」に読み人知らずの名歌。
ほととぎすなくやさ月のあやめぐさあやめもしらぬこひもするかな
恋歌としてはとても惹かれる歌ですね。
さて、この句はとても素直に山の雲があやめの水に降りてくると詠っています。
同じ作者に次の句があります。
ひと日終へあやめの水に手を洗ふ 素逝
今日は、60年安保のときに亡くなった、樺 美智子さんの命日です。
作者はせがわ・そせいの紹介は、2005年10月1日を参照。
(出典:「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
投稿者 m-staff : 2009年06月15日 09:58
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