[2009年10月17日]
花真苽眉あげて見ることもなし
岸田稚魚(1918~88)
花真苽(はなまこも)が秋の季語。菰の花、真苽の花も同意の季語です。
万葉の時代から良く知られ、水辺にゆれる苽の花は、印象深く、群れているのを美しく感じます。稲やススキに似ていて良く間違われます。イネ科の1年草。茎の頂に円錐状の淡い紫色の小さな花をたくさんつけます。花は上部に雌花、下部に雄花。単に苽といえば夏の季語になりますね。
この句は、小舟にでも乗って水辺を行くときに、わざわざ眉を上げて見なくても、真菰の花はしっかりと咲いているよと詠う様子が良くわかりますね。
作者きしだ・ちぎょの紹介は、2005年7月1日を参照。
(出典:青柳志解樹編著「俳句の花・下巻」、創元社、2008年刊)
・今日は、横浜で句会。楽しみです。
投稿者 m-staff : 2009年10月17日 08:32
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