[2010年08月05日]

生きゐるかぎり豚は炎暑の鼻世界

加藤楸邨(1905~93)

炎暑が夏の季語。炎(も)ゆ、炎熱、炎日なども同意の季語です。
今年はこれらの季語に「猛暑」が加えられる事でしょう。
さて、面白い句ですね。作者の造語「鼻世界」に意表をつかれました。宮崎県の口蹄疫問題が一段落して、牛や豚が畜舎に戻りつつあります。それにしても30万頭におよぶ牛や豚を屠殺しなければならないインフルエンザの怖さを思い知りました。
この句は、炎暑の中で豚の大きな鼻がうるさく鳴いている声が聞こえるようです。「生きている限り豚は」、としたところに凄さがあります。その豚のおかげで人間は生きています。
作者かとう・しゅうそんの紹介は、2005年1月22日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)

投稿者 m-staff : 2010年08月05日 11:04

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/3293