[2010年10月09日]

なにもかも失せて薄の中の路

中村草田男(1901~83)

薄が秋の季語。
この句を選ぶに当り、すぐにもうだいぶ前に見た箱根の仙石原の薄を思い出しました。富士山を仰ぐ仙石原は、箱根山の火口原湖跡に広がる高原にあります。そこの湿原植物群落は天然記念物です。一面に風になびいている薄の風景はそれは見事なものでした。薄の中の路を来る観光客の姿が一瞬に消えてしまうような事がありました。まるでこの句のような状況でした。
同じ作者に次の句があります。
打ち靡く薄ばかりの嶮しさよ  草田男
「靡(なび)く、嶮(けわ)しい」など難しい漢字が今では読めませんね。
作者なかむら・くさたおの紹介は、2005年1月23日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・3連休ですね。冷たい雨が降っています。

投稿者 m-staff : 2010年10月09日 09:42

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