[2010年10月14日]

身に沁みていのちがあるといふばかり

小沢碧童(1881~1941)

身に沁むが秋の季語。身に入(し)むが同意の季語です。
秋がだんだんと過ぎてゆくと風の冷たさが身に沁みてきますね。この季語はどちらかと言えば心理的な思いを表しています。
この句はそのものずばり、命の大切さを教えてくれます。病床に臥せっている人を思い浮かべます。
上田俊成に次の歌があります。
夕されば野べの秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里
鶉(うずら)が鳴いている深草の里とはどのようなところでしょうね。むかしは観賞のために鶉の鳴き声を楽しんだようです。ここからは、秋風の冷たさと秋のあわれと、人の世のあわれが重なって、自然と人生のさびしさが覗えますね。
わたしも一句。
身に入むや風の砦の一騎塚  風伯
横須賀に引っ越してすぐに出来た句です。
作者おざわ・へきどうの紹介は、2007年2月21日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・チリの落盤事故の作業員がもうすぐ全員地上に還ります。

投稿者 m-staff : 2010年10月14日 09:40

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