[2010年11月04日]

胸の上に雁ゆきし空残りけり

石田波郷(1913~69)

雁が秋の季語。がん、かりがね、初雁、落雁(らくがん)、雁渡る、雁鳴くなども同意の季語です。
雁は、北方の国で繁殖し、10月ごろに日本に来て、次の年の3月ごろにまた北方の国へ戻ります。
この句は実際に雁が渡ってゆくところを見て作られてはいません。生涯の病を得て、病床にあって作られています。
同じ作者に次の句があります。
雁やのこるものみな美しき    波郷
この句が作られたのは1943(昭和18)年、召集令状を受けて中国へ旅立つとき、残していく家族はもちろん、全てに別れの気持ちを詠んでいます。
作者いしだ・はきょうの紹介は、2005年2月13日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・昨日は穏やかな日和の文化の日でした。ところが午後1時ごろ富士山の頂上付近でウィーン・フィルの楽団員が滑落死。ちょうどそのころ雪をかぶったお山を見ていました。合掌。

投稿者 m-staff : 2010年11月04日 09:44

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