[2011年05月30日]

五月雨が侘びよ寂びよと降りをれり

相生垣瓜人(1898~1985)

五月雨(さみだれ)が夏の季語。五月雨(さつきあめ)、皐月雨、さみだる、五月雨傘なども同意の季語です。
さみだれの「さ」は、皐月の「さ」のことで陰暦の五月を指して、「みだれ」は水垂の意味です。陰暦五月に降る雨のことで「梅雨」を表します。梅雨がどちらかと言えば中国的ですが、「五月雨」は日本的といえましょう。俳句の上では心象的にだけではなく豪快な作品が多く見られます。
この句は、俳句の「侘び寂び」の心象を五月雨で表現しています。俳句を作るときの表現方法はまるで松尾芭蕉ではないですが、五月雨という季語でときに静かにときにダイナミックに表現したいものです。
作者あいおいがき・かじんの紹介は、2005年6月19日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・台風2号が消えて温帯性低気圧になり、相模湾が晴れて明るくなってきました。

投稿者 m-staff : 2011年05月30日 10:24

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