[2011年08月07日]

水打つて心の染みの一つ退く

佐藤博重

水打つてが夏の季語。打水、水撒くも同意の季語です。
作者とは、7月30日に開催された「増殖する俳句歳時記15周年記念会」で初めてお会いしました。記念会には、全国から93名の方々が参集して大いに盛り上がりました。2次会は神田神保町の「らんちょん」で俳句談義に華を咲かせました。その折に句集の話が出て早速「初蝶」を送っていただきました。
掲句はその中の一句です。
「水打つ」は、夏の乾ききった暑さを沈め、涼しくさせるために家の前や庭さらに路地などに水を撒くこと。打水の「打つ」という言葉には、鎮めるという語感があります。
この句では、水を打っても直ぐに乾き、またその存念に想い惑わせることがあるとしても、ここは水を撒いて鎮めたいという作者の心のありどころを示しています。
作者さとう・ひろしげは、1938(昭和13)年長野県生れ、長野高校、中大卒。英文雑誌記者ほかを経て、学研、JCBなど勤務。現フリーライター。俳句は1998(平成6)年より開始。有働亨、工藤義夫に師事。「馬酔木」「早苗」「春燈」などに投句。
(出典:佐藤博重著「初蝶」梅里書房、2005年刊)
・昨日は田中先生を偲ぶ夏の会。20人の仲間が集り、3月11日のあの地震のとき、「どこで何をしていたか」を中心に話が沸騰しました。

投稿者 m-staff : 2011年08月07日 08:56

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