[2011年08月21日]
薬鑵さげ秋の暑さをわびにけり
田中裕明(1959~2004)
秋の暑さが秋の季語。秋暑(しゅうしょ)、残暑、残る暑さなども同意の季語です。
この句は、町内会の行事などで役員らしきひとが湯を沸かすケトルのような湯沸しではなく、昔ながらの真鍮の大きな薬鑵(やかん)に氷と麦茶を入れて行事の準備をしている役員に人に順番に注いでまわっていて、そのたびに「秋になったのに暑いですね」などと「秋の暑さ」をわびている、どこにでも見られる光景を詠っていますが、なかなか含蓄がありますね。日本人に独特の世界かも知れませんね。
作者たなか・ひろあきは、大阪市の生れ、大学では電子工学を専攻し、在学中に波多野爽波に師事、「青」入会。1984年に角川俳句賞受賞。句集には「山信」「花問一壺」「櫻姫譚」など。編著、共著多数。これからというときに惜しまれつつ45歳で亡くなりました。
(出典:「日本の四季 旬の一句」講談社、2002年刊)
・昨日今日と急に涼しくなりました。今の日大三高は、大学生のチームと試合をしても勝てそうですね。それぐらい最高の出来です。
投稿者 m-staff : 2011年08月21日 10:58
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