[2011年10月31日]

高潮や大正六年十三尺

榊原風伯

高潮が秋の季語。風津波も同意の季語です。
高潮は、台風の襲来によって陸に押し寄せる高波のことです。台風の中心は気圧が低く、そのために海面が盛り上がります。更に海から陸に吹く強い風に押されてその高波が陸に上陸します。とりわけ台風の上陸時と満潮の時間が一致するときは潮の高さが異常に盛り上がり大きな被害をもたらしますね。普通の水位が4、5メートルも上昇します。暴風雨とともに押し寄せる高波はすさまじいものがあり、家屋や港湾施設が壊されるばかりか人命にも多大な被害を及ぼします。
東京・江東区の東陽町の公園には、高さ4.29メートル(十三尺)の青い棒が立てられています。これは1931(大正6)年の台風で高潮が押し寄せてきたときの高さを示しています。その棒を見たときの印象が強烈でしたので、ふっと口に出た言葉を句にしてみました。東日本大震災の大津波は脳裏にからいつまでも消えませんね。
(出典:「雲雀」1996年12月号より)
・面白い本を読みました。加藤陽子著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社、2011年3月刊、1700円)。日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変と日中戦争、太平洋戦争を通して日本の近現代史をまとめたものです。横浜の中高生(栄光学園歴史研究部)と一緒に近代戦争をめぐる日本のありかたを考えると言うユニークなもの。平和な時代に生きて戦争とは何かをじっくりと考えさせられる好著。ぜひ読んでみてください。

投稿者 m-staff : 2011年10月31日 09:27

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/3789