[2011年11月12日]

病む母に霜夜の市電閃光す

丸山哲郎

霜夜(しもよ)が冬の季語。
霜夜は、霜の降りる夜のこと。夜に降りる霜ではありません。霜は朝早くにできますが、よく晴れた放射冷却の夜の厳しいときなどに、霜が白く見え始めことがあります。
「新古今集」の侘歌です。孤独感がひしひしと伝わってきます。
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かた敷きひとりかも寝む
この句は、霜の夜に、何かの病気にかかっている母親に、大阪の市電のパンタグラフからの閃光が映ってい様子がうかがわれます。暗と明の対比が見事ですね。寒さがいっそうつのりますね。
作者まるやま・てつろうは、1922年兵庫県生れ、大阪の心斎橋で書店「鳳林堂」を経営、同じ町内で笠屋を経営していた宮武寒々のすすめで飯田蛇笏、龍太の「雲母」に参加。商売の傍ら俳句に勤しんでいました。句集に「萬境」があります。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・昨日は一日中雨が降っていました。今朝は富士山がくっきりと顔を出しています。頂上付近には雪の積もっているのが見えます。

投稿者 m-staff : 2011年11月12日 09:59

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