[2011年12月13日]
故郷に墓のみ待てり枇杷の花
福田蓼汀(1905~88)
枇杷(びわ)の花が冬の季語。花枇杷、枇杷咲くも同意の季語です。
冬のさなかにひっそりと咲いていますね。バラ科の常緑中高木。初冬から枝の先に褐色の毛が密生して咲いている花軸を持ち上げて、黄をおびた白色五弁の小さな花をたくさんつけます。わずかに甘い香で花の咲いているのがわかりますが高みに咲くのであまりかぐことはできません。花は盛りを過ぎると真黄色になります。暖かい地方では野生のものもあります。
この句は、季語の「枇杷の花」がとても効いています。都会に出てきた作者が望郷の思いを詩に託しています。わたしの父母の墓は北海道の田舎、いまは深い雪の下に埋まっています。
作者ふくだ・りょうていの紹介は、2005年3月10日を参照。
(出典:青柳志解樹編「俳句の花・上巻」創元社、2008年刊)
・この時期は北風の中、大根、葱、蕪の畑が収穫を待って、うねうねと続いています。
投稿者 m-staff : 2011年12月13日 10:23
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