[2011年12月27日]

切株に虚空さまよふ枯尾花

原 石鼎(1886~1951)

枯尾花(かれおばな)が冬の季語。枯芒、冬芒、芒枯るも同意の季語です。
裏山の武山から流れてくる疎水の両脇の土手に、いま枯芒が風に揺れています。その先には雪を被った富士山が見えます。
もともとこの句にあるような「虚空をさまよふ」感じが枯尾花にはありますね。
散歩をしていて樹木の切株を見るとドキッとします。何故でしょうね。きっとそれは切株には、命半ばにして絶たれた無念さを感じるからでしょうね。
同じ作者に次の句があります。
日にとくる霜の白さや枯芒  石鼎
霜が日に融けて行く時間の経過が見えるようです。
作者はら・せきていの紹介は、2005年10月30日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・福島第一原発の政府事故調査委員会中間報告書が公表されました。起こるべくして起きた人災であったことが分かります。

投稿者 m-staff : 2011年12月27日 10:21

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