[2012年02月03日]

風化寸前寝墓冬萌に擁かれて

加藤知世子(1909~86)

冬萌(ふゆもえ)が冬の季語。冬木の芽も同意の季語です。
枯れ草の中からいち早く緑の芽を出し始めた晩冬の光景を言います。寒い中でも日ざしに温かみを感じるときもあります。冬草とは違った小さな芽は新鮮さを感じます。草花の萌え出す力強い生命力が伝わってきます。体で感じる予感がしてきますね。
この句の前書きには、かくれ切支丹、大山部落とあります。昭和32年、九州に吟行のしたときの作品です。風化寸前の古いお墓に集まった一隅にも「冬萌に擁(いだ)かれて」春がもうそこまで来ていますよ、と詠っています。明日は立春です。寒いのも今しばらくの辛抱ですね。
同じ作者に次の句があります。
冬萌冴ゆ調子昂めるよいとまけ  知世子
よいとまけはこの頃見かけなくなりましたが、主に地固めなどの仕事をする日雇いの人たちを言います。
今日は節分、初午。
作者かとう・ちよこの紹介は、2005年7月24日を参照。
(出典:「加藤知世子全句集」邑書林、1991年刊)
・昨日はちらほらと雪が降り、今朝は今年一番の寒さ、零下2.5度。

投稿者 m-staff : 2012年02月03日 09:15

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