[2012年04月18日]

川鼠顔を干し居る薊かな

内田百閒(1889~1971)

薊(あざみ)が春の季語。野薊、花薊、薊の花、眉はきなども同意の季語です。
薊は夏に咲くものが一番多いのですが、野薊だけは春から初夏にかけて咲きます。野薊は、薊の代表選手。
キク科の多年草。きわめて種類が多く、全国の海や川、山地にかけて野生しています。葉と茎に鋭いとげがあるのが特徴です。紅紫色の花を咲かせ、花の後には種を生じて絮となって飛びます。薊は花の先が女性の使う眉刷毛に似ていることから眉はき、眉つくりの名前があります。
この句は、事実と思われますが、薊がひょこひょこと咲いている川に住む鼠が川べりで顔を干しているように見えると言うだけでどこかおかしくなりますね。
作者うちだ・ひゃっけんは、岡山市の生まれ、百鬼園とも号する随筆家。俳句は旧制中学校、高校時代から親しむ。漱石門に入り、芥川龍之介などと親交。戦後は村山古郷の「べんがら」に参加、後に主宰しました。作者は相当なへそ曲がり。黒澤明監督の「まあだだよ」の主人公。句集には「百鬼園俳句」「内田百閒句集」などがあります。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・尖閣諸島の購入計画問題。石原都知事、最後のパフォーマンス? 国家の軽重を問いかけています。

投稿者 m-staff : 2012年04月18日 09:14

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