[2012年10月18日]

人ひとり死ぬたび一つ茱茰灯る

折笠美秋(1934~90)

茱茰(ぐみ)が秋の季語。秋茱茰も同意の季語です。
道産子の私は小さいころ、秋になると赤い甘酸っぱい茱茰をよく食べたものです。そのころはこのような難しい漢字を「ぐみ」というなどまったく知りませんでした。
茱茰には、はるぐみ、なつぐみ、あきぐみなどがあります。あきぐみは、ぐみ科の落葉低木。初夏に花を咲かせ、秋に赤く、白い点のある、小さい実を結びます。これが食べるととてもおいしいのです。
この句は、1986(昭和61)年刊行の句集「君なら蝶に」に所収されています。人が一人ずつ亡くなるたびにひとつずつ茱茰の灯が灯るという実に切ない心境を詠っています。作者は、成っている茱茰のひとつひとつを人間の生命と見立てたのでしょうね。
作者は、筋萎縮性側索硬化症という難病にかかり、全身不随の状態で句作を続けました。生きておられたならば、今回のiPS細胞の京大山中教授のノーベル賞受賞をさぞや喜ばれたことでしょうね。
作者おりがさ・びしゅうの紹介は、2012年1月18日を参照。
(出典:平井照敏編「現代の俳句」講談社文庫、1993年刊)
・今日でイチローの今シーズンが終るかどうか。朝10時、試合が雨で遅れていましたが中止になりました。

投稿者 m-staff : 2012年10月18日 10:16

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