[2012年10月20日]

還らざるものを霧笛の呼ぶごとし

伊藤柏翠(1911~99)

霧笛が秋の季語。朝霧、夕霧、夜霧、山霧、海霧、霧雨、濃霧、霧の海、霧の雫なども同意の季語です。
秋になると、移動性の高気圧におおわれているときに、夜の放射冷却によって、気温が下がると霧が生れます。盆地などは冷えた空気がたまりやすいのでよく霧が発生します。何年か前に大分県の湯布院へ出かけたときは、朝方、沼を中心に霧が発生していました。
この句は、比喩を詠ったものです。霧笛は、霧や雪、その他視界不良で陸影や船影、灯火が見えないときに鳴らすサイレンで霧中信号の一つです。それがしきりに鳴っているのを聞いて、作者には「還らざるもの」を呼んでいるように聞こえています。横浜に住んでいたときは、よく霧笛が鳴っていましたね。
作者いとう・はくすいの紹介は、2008年5月14日を参照。
(出典:村上 護著「きょうの一句」新潮文庫、2005年刊)
・富士山に初雪。今日は横浜で句会。中華街をちょっぴり吟行。天気はよさそうです。

投稿者 m-staff : 2012年10月20日 08:03

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