[2012年11月02日]

秋ふかく石がささやく石の声

中川宋渕(1907~84)

秋ふかくが秋の季語。秋深し、秋闌(た)ける、秋さぶ、深秋、秋更くる、秋深むなども同意の句です。
秋深しは、すべてのものが冬へ移ろうとする晩秋の静けさを言います。人によっては違いますが、心の持ち方によっては様々な取りようがある季語です。1年の間でも最も自然の変化に敏感になるのもこの頃ですね。深秋は、秋も終わりに近く、すべてにはかなく哀切の情がふつふつと湧きあがってきます。
作者は、禅の高僧。禅の境地では「石」にも囁き声が聞こえてくるのでしょう。禅に「石上に華を栽(うえ)る」という言葉があります。それらを不可能とは考えずに、融通無碍(ゆうずうむげ)が禅の心と言います。さても凡人にはなかかな到達できない世界ですね。
同じ作者に次の句があります。
秋深き石の小臼のおきどころ  宋渕
これも何とも味わい深い句ですね。
作者なかがわ・そうえんの紹介は、2005年3月14日を参照。
(出典:村上 護著「今朝の一句」講談社、1995年刊)
・快晴の中、新雪の富士山と相模湾が綺麗に見えます。北海道は雪かしら?

投稿者 m-staff : 2012年11月02日 09:02

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