[2012年12月29日]

行く年や猫うづくまる膝の上

夏目漱石(1867~1916)

行く年が冬の季語。年逝く、年歩む、去(い)ぬる年も同意の季語です。
「行く年」には、1年の歳月を惜しみつつどこかで振り返る心持を宿しています。過ごしてきた1年への重いと愛惜の情が込められていますね。
この句の猫は、「吾輩は猫である」の猫を連想させてくれます。この小説は、明治の教養ある紳士たちの談論を、飼い猫の眼から風刺的に描きました。漱石の饒舌な才と文明批評を遺憾なく発揮しています。
同じ作者に次の句があります。
行く年や膝と膝とをつき合せ  漱石
膝と膝とをつき合せて何を語るのでしょうね。時間はどんどん経ってゆきます。
作者なつめ・そうせきの紹介は、2005年2月17日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・今日も大掃除。寒風の中、鳶が一羽飛んでいます。

投稿者 m-staff : 2012年12月29日 10:12

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/4249