[2013年01月25日]

寒卵割りひとり旅ひとりの餉

大橋敦子

寒卵が冬の季語。寒玉子も同意の季語です。
寒卵は、寒中の鶏卵を言います。我が家の冷蔵庫にも確りした卵が一杯詰まっていました。
寒中には他のときよりも特に栄養に富んでおり、産卵期にも当たっていて値段はいつもより安く売られています。寒卵は、人によってはとくに生のままに飲んで栄養を吸収しようとします。寒さの強いときに、卵を割ると、まどかな黄身が現れて心を和ませてくれますね。小さい頃は、コロンブスにまねて卵を懸命に立てようとしたことを思い出しますよ。
この句は、「り」行の繰り返しです。そのリズム感がいっそう寂しさをもたらします。作者は、ひとりの旅を、ひとりの夕餉(ゆうげ)を、寒卵をひとつ割っている、その情景が浮んできます。寂しい限りですね。
作者おおはし・あつこの紹介は、2008年6月23日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・アルジェリアから遺体が帰国しました。その昔に、外務省の依頼で「誘拐事件に遭わないためのビデオ」を作ったことを思い出しました。

投稿者 m-staff : 2013年01月25日 09:33

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