[2013年02月06日]

春浅し相見て癒えし同病者

石田波郷(1913~69)

春浅しが春の季語。浅き春、浅春も同意の季語です。
2月ごろは、春と言ってもまだ寒く、春色がまだ整わない季節です。
この季語は、季語としては新鮮な趣があり、江戸時代には見かけない季語と思われます。子規の時代になって使われるようになってきました。島崎藤村のような新体詩人が近代の情感をかもすのに生み出したものと考えられます。冬を抜け出した生命のまだ芽生えたばかりのひりひりとした敏感な感性をこの季語は持っています。
この句は、清瀬の東京病院でしょうか、結核の療養者であった作者と長い冬をかろうじて生き延び得た同病者がふと出会い。無言で見詰め合った一瞬の心の動きを表現しています。
作者いしだ・はきょうの紹介は、2005年2月13日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・1月14日に続き、首都圏に雪の予報。大雪にならなければいいのですが。ストーブにかじりついています。

投稿者 m-staff : 2013年02月06日 09:40

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