[2013年02月12日]

薄明や水のなかにも猫柳

桂 信子(1914~2004)

猫柳が春の季語。川柳、ゑのころ柳も同意の季語です。
川辺に自生しているので、一名かわやなぎと呼ばれています。やなぎ科の落葉木で、高さは2メートルほど、雌雄異株。暖地では2月から、北国では雪解けごろから開花します。雄花は厚い皮をかぶっていて、これが大きくなって、その皮が脱げて、開花します。楕円形の花穂は、白い毛が密生し、これが銀色に輝いて綺麗で美しく、猫に似た様相を見せます。雌花は実となりやがて柳絮(りゅうじょ)になります。
この句の「薄明」は、日の出前または日没後に見られる空のほのかの明るさを言います。ここでは日の出前ととらえています。日の出前に、川辺で銀色に輝いている猫柳の中にも、水の中で春を迎えているものもあると詠っています。早春の見事な風景をよく表しています。
作者かつら・のぶこの紹介は、2005年6月4日を参照。
(出典:佐川広治著「季語の花・春」TBSブリタニカ、2001年刊)
・丸谷才一著「新々百人一首」を読んでいます。著者は「小倉百人一首」の定家の向こうを張って和歌を百首選んでいます。選ばれた百首を読めば、王朝和歌が「日本文学の中心部を占める」と言う著者の持論がよくわかります。

投稿者 m-staff : 2013年02月12日 10:05

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