[2013年02月21日]

流れつつ色を変へけり石鹸玉

松本たかし(1906~56)

石鹸玉(しゃぼんだま)が春の季語。たまや、水圏戯(すいけんぎ)も同意の季語です。
石鹸の溶かした液にビニール、麦藁、小麦藁、よし藁、笹竹などの管の先を浸してから空へ向けて吹くと日に光りに輝いてきれいな虹色の玉がいっせいに飛び立ちます。その美しさに見とれている子どもの姿や壊れないようにしてどこまで飛ぶかを競っている子どもの声が春を呼んでいるように見えますね。かつては「たまや」という売り声のもとで江戸の町をめぐっていつ売り子の声が聞こえてくるようです。一度は子どもから大人になる間に通り抜ける遊びです。
この句は、虹色に見える石鹸玉が様々に色を変えている様子をじっくりと見て詠っている姿が伝わってきます。
作者まつもと・たかしの紹介は、2005年4月18日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・19日に昔よく通った東京・神田の「やぶそば」が全焼。残念。「いせ源」「ショパン」など良い店が近くに並んでいましたが、出火はやはり油断からでしょうか。再開を望む人が多くいます。何とか立ち直ってもらいたいと思います。

投稿者 m-staff : 2013年02月21日 10:19

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