[2013年02月26日]

磔像の全身春の光あり

阿波野青畝(1899~1992)

春の光が春の季語。春光、春色、春の匂、春景色、春容、春望、春景、春の色なども同意の季語です。
春光は、春の景色、春の様子、春の光のこと。昔から日本人は、生命感のある春の陽光に独特な色や匂いを感じ取ってきました。日本人が杜甫(とほ)の「国破れて山河あり。城春にして草木深し」という春を望む詩を深く理解してきたのも、もとより生活の中にそのような歴史を持っていたからと思われます。
この句の「磔像(たくぞう)」はキリストが十字架にかけられ刑死した像を念頭においたことと思われます。その全身像に春の光が燦然と当たっている様子を詠っています。神々しいまでの力を感じますね。
今日は、2・26事件の日。1936(昭和11)年、77年前のことで大雪でした。
作者あわの・せいほの紹介は、2005年4月21日を参照。
(出典:「日本大歳時記」講談社、1982年刊)
・奇しくも城山三郎著「落日燃ゆ」を読書中。主人公広田弘毅は、2・26事件で総辞職をした岡田啓介内閣の後を受けて32代目の首相になりました。往事茫々ですね。

投稿者 m-staff : 2013年02月26日 09:44

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