[2013年03月16日]

シャガールの女たちまち春の雲

加藤耕子

春の雲が春の季語。春雲も同意の季語です。
春の雲は形をなしているようで多くは形をなしていません。薄く刷いたように淡く現れます。
今から20年以上も前に、パリのオペラ座の天井に描かれたシャガールの絵を見たことがあります。誠に幻想的なまるで西洋の天女が空を舞っているように感じました。一度見ただけですが、まだまぶたの裏に浮んできます。
シャガールは1887年ロシア生まれの画家であり、版画家。ユダヤ人でロシア革命の前後にパリに出て、第2次世界大戦中にアメリカにわたり、後にフランスに永住しました。生涯故郷のロシアとユダヤの神話に題材をとり、愛と聖の幻想世界を繰り広げました。亡くなったのは1985年でした。
この句は、シュールレアリスムの世界に遊んでいます。シャガールの絵の中の女を見ていると「たちまち春の雲」になってしまったというのです。女と雲の間には境界がなく、それをそのまま詠んでいます。不思議な交響が生れていますね。
作者かとう・こうこの紹介は、2006年7月26日を参照。
(出典:村上 護著「今朝の一句」講談社、1995年刊)
・今日は横浜で句会、花粉が飛んでいてとても憂鬱ですね。

投稿者 m-staff : 2013年03月16日 21:12

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