[2013年04月11日]

風きいて老行く身なり竹の秋

永井荷風(1879~1959)

竹の秋が春の季語。竹秋、竹の秋風も同意の季語です。
4月に入ると、木々は萌えて柔らかな緑の葉を広げてきます。竹は黄色く色あせてきて、早いものでは風に揺られて葉を落とし始めます。それは地中の筍を育てるために、葉に養分を使わないからです。これは普通の草木が黄ばみ、紅葉してくる秋の様子に似ていることから「竹の秋」と言います。竹の葉の黄ばむ春を竹の秋と呼んだ昔の人の言語感覚を感じ取るべきでしょう。万物が甦生する春に逆に黄葉する竹の生態に面白さを感じます。
この句の作者は、一室に背を丸めて竹の葉を揺らして過ぎる風の音を聞きながら、老いと孤独に沈んでいます。それが微妙に竹の秋に呼応していますね。
同じ作者に次の句があります。
夕方や吹くともなしに竹の秋  荷風
揺れている作者の心持が伝わってきます。
今日は、メートル法公布記念日。
作者ながい・かふうの紹介は、2005年1月8日を参照。
(出典:関森勝夫著「文人たちの句境」中公新書、1991年刊)
・近くの自衛隊武山駐屯地にPAC3が配備されました。北朝鮮のミサイル待ちですか。

投稿者 m-staff : 2013年04月11日 13:18

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